真岡鉄道SLキューロク館の保存車両(1)キハ20

▲真岡駅のキハ20 247も綺麗になってお出迎え。
このゴールデンウィーク前半に益子の陶芸市に行く途上、真岡駅に立ち寄りましたので写真をいくつかのせます。筆者、SLキューロク館ができてから立ち寄るのは初めてのこと。9600も好きな機関車ですが、なにぶん、筆者の偏った趣味から気動車をまずご紹介します。

▲貴重な気動車が朽ち果てず展示できる状態まで復元されているのは喜ばしいことです。
SLキューロク館と反対側の展示コーナーにはキハ20 213があり、ともに首都圏色+ヘッドライトシールドビーム改造の晩年スタイルで保存されておりましたが、年々朽ち果ててゆき、この先どうなることやらと思っておりましたが、こうして綺麗に塗装されている姿を見ると本当に良かったと思います。

▲2005年5月に真岡駅を訪れた時の写真。倉庫として使われていたようです。

▲こちらは2008年3月。時々気になって見に行ってしまうのですよ。
タラコのキハ20という晩年感に妙な愛着があります。オリジナルも良いですが、こうして使い倒された車両というのも、えも言われぬ魅力を感じます。

▲同じく2008年3月。2005年よりもさらに劣化が進んでいるようでした。
それが・・・こんなに綺麗になるなんて。

▲形式番号は消されていたものを復元したようです。細かい字体などには目をつむるとして。

▲国鉄真岡線での活躍が記録されています。
=====後日追記=====
なお、この説明板ですが、車歴研究家のKセンパイよりキハ20 247号車固有の説明では無いとのご指摘がありましたので付記いたします。(キハ20 247が真岡に配置されたのは1980年3月31日とのこと)
=====追記ここまで=====
筆者は国鉄時代の真岡線など見たことも乗ったこともありませんが、ローカル線の写真集やwebでの写真では御馴染でした。真岡線と云えばキハ20系のイメージです。筆者の大好きな国鉄非電化ローカル線の写真を掲載しているwebサイトをご紹介します。(リンクフリーとのことで)
「昔訪ねた気動車ローカル線」へのリンク
このキハ20 247、車内もある程度綺麗になっており、乗り込むことができますので早速内装を見てみましょう。

▲おお!キハ20の特等席も健在。ボックスシートの最前列は2人がけでしたね!

▲左右の煙突が目立つインテリア。やはり国鉄といえば、このボックスシートです。床のエンジン点検蓋にも注目。

▲国鉄制式エンジンであるDMH17C、このバージョンまでシリンダーを縦置きにしてました。
このDMH17系、元をただせば戦前の基本設計に遡る、直列8気筒、17000cc、180PSのディーゼルエンジンです。戦後、国鉄制式エンジンとして、次世代の大出力エンジンが開発されるまでは、気動車はほぼ全てこの系列のエンジンに統一されていましたので、相当数量産されたはずです。
展示されているDMH17Cの後、キハ80系からはシリンダー横置き(地面に対して水平)のDMH17Hとなります。そのメリットは床の高さを抑えることができる、また振動や室内へのディーゼルの異臭を抑えることができることが通説となっております。キハ58系、キハ35・45系などはすべて横置きですね。
ここ真岡駅のキハ20系は縦置き機関を搭載している貴重な展示だと思います。上のキハ20の客室床に、このエンジンの直上に点検用の蓋がある、そんなところも注目すべきポイントなのですよ。

久しぶりに綺麗になったキハ20に出会えて嬉しかったです。願わくば、この姿を維持していただきたいものですね。