ツカサ模型の京都市電2000形

遠い昔の記憶、3~6歳ごろだったのか。とにかく1970年代前半ごろのことです。
大阪の北千里というところに住んでいたのですが、休日になると父に連れられて良く京都に出かけました。

父は特に鉄道が好きだったというワケではありませんが、子供を喜ばせようとしたのか、いつも行きは北千里から梅田まで阪急電車で、梅田から大阪駅まで行き、当時デビューしたての153系新快速(所謂ブルーライナーですね)で京都まで行きました。当時の新快速の速いこと速いこと。新大阪も通過で、東海道線をかっ飛ばしてました。当時はよほどのことがなければ冷房を入れなかったのか、窓全開にして外を見るのが好きでした。(帰りは河原町から阪急電車(特急)で十三に、千里線に乗り換えて帰宅するというパターンでした)

そもそも国鉄運賃が私鉄に比べて割高な時代で、わざわざ国鉄で京都に行く人も珍しかったと思います。今では考えにくいことですが、新快速の車内はガラガラでした。

さて、京都駅を降りると駅前には各方面に向かう市電が。少年の私は、この緑色の小さな電車が大好きだったのです。乗り込むと車内は真っ暗で、床は木、ふかふかのロングシートに窓向きに膝をついて座り、木枠の窓越しに京都の町並みを眺める。路面を走る独特の音、釣りかけ音、どれもがお気に入りでした。

降りる場所はいつも八坂神社の前、銀閣寺や哲学の道、八坂神社のあたりが好きだったようで、いつも同じ場所を散歩していました。

前置きが長くなってしまいましたが、本日はそんな亡父との思いでの電車、京都市電をご紹介します。

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▲ツカサ模型の京都市電2000形。

昨年夏に大阪に出張に行ったとき、放出のツカサ模型さん(ほんと、マンションの一室なんですよね)を訪問し、いくつかの模型を見せていただきました。上から下まで全て手作り、その造形の良さや仕上げの美しさ、完成度に感銘をうけました!ご主人にいろんな話をうかがう中で、この2000形、そして次の2600形で(模型製作を)最後にするということも聞き、少しばかり値が張ったものの、是非手に入れたいと発注した次第でございます。お土産に頂いた手作りの「トムリンソン式密着連結器」の試作品(実際に連結可能)の精度に驚愕しながら、完成するのを首を長くして待っておりました。

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▲それから4カ月、ようやく届いた2000形です。Noは2006、方向幕は烏丸車庫、最晩年の姿ということで、前述の連結器は無しの仕様にしてもらいました。ヘッドライトは電球色、室内灯と方向幕は白色LED!

京都市電2000形は、実際には6両しか作られなかった車両で、当時としてもほとんど乗る機会は無かったものと思われます。旅客増に対して連結車とうい選択肢を選んだものの、実際にその形態で使用された期間は短かったのではないかと思います。ちなみに、京都市電廃止前に伊予鉄道に移籍、今も元気に高松の街を駆け抜けてます!

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▲窓から見える吊革が雰囲気を盛り上げます。

当時の筆者に京都市電のタイプなど分かるはずもないのですが、恐らく実際に乗ったのは車両数の多かった1800形だったのではと思います。残念ながらツカサ模型さんの1800形は随分前の製品ですし、基本受注生産ですので手に入れるチャンスはもうありませんネ。

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▲床下機器もこの作りです!床板を外すと、何と普段は見えないステップまで作り込まれているのです。

このツカサ模型の京都市電、実際に走らせると、昨今のMPギアなどに慣れてしまうと、若干走行音が大きく感じられますが、低速での走行性はすこぶる安定しています。削り出しによって製造されたタイヤ、自作の駆動装置とは思えない良好な走りです。

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▲バックミラーも可動式です!これは(細かいことで有名な)ムサシノモデルの東京都電にもないギミックですね・・・もちろんテールランプも点灯しますよ。

「目がきつくて、細かいパーツを作れなくなってしまった」と何度もこぼされていたご主人。2000形のZ型ビューゲル等のパーツは、以前作っておいたストックを使用しているとか。

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▲16番ゲージの1/80という縮尺を考えるとき、若干寸法が大きく感じられますが、車両の印象把握という点では惚れ惚れするような造形です。

何度見ても飽きない、ずーっと眺めていたい、そんな模型です。これを眺めていると、冒頭で長々とご紹介したような小さいころの思い出がリアルに甦ってくるのです。これも年輪を重ねたツカサ模型のご主人だからこそ出来る技なのでしょうね。

願わくはツカサ模型のご主人には末永く元気にお過ごしいただき、リバイバルでもう何形式かを製造していただきたいものです。気長にお待ちしております!
プロフィール

ウラタニハ

Author:ウラタニハ
はにたらうの”ウラニハ”へようこそ!1970年代~80年代に活躍した鉄道が忘れられず模型の世界にどっぷりとハマっています。たまに実物も。更新頻度は高くないかもしれませんが、とりあえず出発進行!

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